「まわしよみ新聞」とは、気に入った新聞や雑誌の記事を切り取り模造紙などに再編集した大きな壁新聞のことです。
4~5人のグループをつくり、気に入った記事をグループのみんなにプレゼンテーションしたあとそれぞれが編集長となり見出しを考え、感想を書き込んでいきます。中には新聞記事をうまく組み合わせて自分の気持ちを表現した芸術的な作品をつくる方もおられました。
「同じ記事を選んでいるのに、選んだ理由が全然違った!」これも新しい発見です。
答えに正解は存在しません。自由な発想で自分の考えをアピールしよう!
できあがった作品を会場にいるみんなで見て回り、感じたこと気付いたことを自由に発表します。ほかの人の意見を聞くことで相手を知り、自分の視野を広げるきっかけになります。
うみっとのまわしよみ新聞講座では、グループをつくらず色画用紙に一人でまたは親子で制作することがあります。その年によって方法を変えているので違ったパターンのまわしよみ新聞が楽しめます!
子どもから大人まで誰でも参加できるのがまわしよみ新聞の魅力です。下は幼児からおじいちゃん、おばあちゃんまで三世代で新聞を囲んであーでもない、こうでもないと話し合いながらつくりあげます。
文章が苦手でも大丈夫!イラストを描いたり、折り紙を貼り付けてデコレーションし世界に1枚だけのオリジナル作品をつくりましょう。
まわしよみ新聞の考案者は陸奥賢(むつさとし)さん。いかに相手に記事への興味、関心を惹(ひ)き驚かせるか?カードゲーム的な要素があると話しています。
1つの新聞記事をめぐって、意見が分かれることもあります。お互いに初対面で遠慮している方が多いのですが、気付けばヒートアップして制限時間を忘れ止めに入るグループがあるほど盛り上がります。
グループ内でプレゼンテーションしたあと「あの人こんなに話す人だったんだ」と印象が変わったり、子どもと大人では着目点が違って読み比べが楽しめます。
新聞でコミュニケーション
新聞は世代をつなぐコミュニケーションツールです。
スマートフォンやパソコンと向き合う時間が増えたせいか、自分の考えを自分の言葉で相手に伝えることが苦手な人たちが増えています。家庭では新聞を購入しないところが増え、語彙力(ごいりょく)の低下、活字離れが深刻です。
電子書籍も便利で捨てがたいのですが、紙面をめくること、読んだ後の達成感は実際に手で触れる紙の存在あってこそです。
文部科学省が平成28年に調査した資料によると全国の公立小学校の図書館に新聞を配置しているのは全体の約40%で、中学校(公立)は約37%、高等学校では約90%が新聞を図書館に配置していました。
公立中学校での新聞普及率の低さが気になりますが高校入試では時事問題が取り入れられ、たくさんの情報の中から適切な情報を自分で取り出し理解する力、考えをまとめる力が求められています。
小学校の普及率を見てわかるように各新聞社から読みやすい工夫満載の子ども向けの新聞を発行しているので早いうちから活字に慣れさせるという意味でも新聞は有効なツールだと言えます。
難しい単語が並んでいる新聞記事、実は管理人も読むのが苦手です。見出しやリード文を読み比べるだけでも面白いというのは、まわしよみ新聞を始めてから感じるようになりました。実際に記者さんのお話を伺えば、新聞記事に対するこだわり、熱い思いが伝わってきます。そのお話を聞いたうえで改めて新聞を手に取ると、取材している記者さんの違う視点から楽しめますよ。
うみっとのまわしよみ新聞講座では、新聞記者さんを講師としてお招きし新聞の読み方と楽しみ方、記事のまとめ方をアドバイスいただいています。
貴重な取材現場の話を聞くチャンスもありますので、うみっとのまわしよみ新聞講座にぜひ参加してみてくださいね。
普段の生活の中で家族間では片言で誰かが意思を読み取ってくれるから、会話そのものが単語に偏りがちです。少しずつでもいい、活字に親しみをもち、まわしよみ新聞を通じて自分の考えを相手にどう伝えるか?「なんとかして伝えたい!」と思ってもらえたらという、うみっとのささやかな願いが活動に込められています。