その2に引き続き、管理人がPTAの新聞づくりで経験したことを綴っています。
少しでも参考になればと思い、書き残しています。
学校行事が「行われた」では読んでもらえない
PTA新聞に取り上げるのは学校行事だとよく言われます。
「学校行事が行われました」というだけの記事を手にしたとき、みなさんは本当にその先を読みますか?
保護者の視点で言うと「同じ切り口では読まない」これが本音です。
PTA総会の資料などにも掲載している通り、年間行事は同じ時期に決まっています。
それがコロナ禍で中止になった行事がほとんどでした。
断言はできませんがご自身が参加しない限り、”そういえばそんな行事があったかな…”くらいの認識でしょうか。
だからただ「行いました」だけでは通用しないんです。
それはなぜか?
みんな行事があることだけは、前もってわかっているからです。
読む前に内容が見て取れる(想像できる)のでタイトルを見ただけでは読まなくなっているんですね。
実際に友人へ尋ねてみました。
「毎年同じ内容のPTA新聞を手に取って読むことはあるの?」
返ってきた答えは「ごめん、タイトルで先が読めてしまうから関心が向かない限り手に取らないと思う」
「うん、そうなんだね。謝る必要はないけどやっぱりそうなるよね」と納得しました。
では、みなさんが読みたくなる記事の内容ってなんでしょう?
思わず手に取りたくなる内容の一例
1.読んでみて「へえ~そうなのか」と思える内容
2.子どもたちのことにつながる(いっしょに話せる)内容
3.地域の方または専門家の視点、データに基づく内容
「へぇ~そうなのか」と思える内容
第三者の意見として3番目にある地域の方と専門家の視点に共通するものがあります。
保護者同士の話でも、どこかの専門家の聞きかじりだったりするわけで第三者の声は専門的な内容が届きやすいです。
専門家へ聞けば確証が得られるわけですし、話を聞くだけでプラスになるのは間違いありません。
学校行事や子どもたちの生活につながる要素を含んだネタにすると関心をもちやすいのは確かなようです。
子どもたちのことにつながる(いっしょに話せる)内容
普段の生活の中でも話せる内容で思いつくのは、例えば、食べ物のこと。
地域によっても違いがありますが、学校の昼食といえば給食、食育について学校関係者やPTA役員を交えて定期的な話し合いや勉強会が行われていることをご存知でしょうか。
食べ物の好き嫌いの話は管理栄養士さんのお話を聞いて、食事の工夫について書いてみるもよし、保護者が自宅で子どもたちの食事にどんな工夫をしているのか?尋ねてまとめてもよいと思います。
これが絶対ではなく、一例として各自で話し合うきっかけがつくれたらいいなという「提案」です。
コロナ禍でなければみなさんの中で定番化されているであろう、運動会についてだとどうなるのか?
子どもたちの雄姿は運動会当日、充分目に焼き付けていただいて、発表する演技は誰がどうやって決めているのか?とかPTAが運動会前や当日にどんな働きをしたのか?
場所取り問題など運動会に係わる話をもってくると運動会への見方が変わってくるはずです。
地域の方、または専門家の視点、データに基づく内容
専門的な内容については、専門家へ尋ねるのが一番です。
地域のことは地域のみなさんへ尋ねると第三者の視点から答えが見つかるかもしれません。
データに基づくものというのは、例えばPTAで行うアンケート。
資料としていただいた内容から抜粋したもの。
何かしら根拠がないと「それって本当のことなの?」と疑いたくなるのが人の心理のような気がします。
データや統計は事実を語る!かもしれない。
いや、具体的な数字が並んでいると説得力があります。
「裏付け」があればすんなりと話が入ってくる……不思議ですね。
今はネットでも多くの専門家が発信しているものがありますが、調べれば調べるほど共通意見もあれば見解が違う内容が出てきて、どれを信頼していいものかわからなくなることが多いんです。
しかもネット上の情報を頭から信用していないと直接言われたことがあります。
(Webライターを細々と続けている私にとっては頭をガツンと言葉で殴られた衝撃があったのは事実ですが感じ方は人それぞれ)
10人いれば10通りの意見がありますから、 ネット上の情報は鵜呑みにせず、上手に生かすものだと思います。
いろんな話を引き出すためのインタビュー
時間をつくり出すのは難しいかもしれないけど、第三者のお話に耳を傾けるというのは新しい発見がいっぱいあります。
インタビュー形式にはいくつかあって、
・対面(またはオンライン)で話を聞く
・電話で話を聞く
・紙面で回答を得る
コロナ禍で増えたのは「電話で話を聞く」、「紙面で回答を得る」です。
一番ベストなのは、やはり「対面で話を聞く」ことだと思います。
現在はZoomなどのオンラインツールを使い、話を聞くことができます。
言葉に含まれる感情など、その場の空気が感じられるのが対面インタビューだと思っています。
対面やオンラインが難しい場合は、「電話でお話を聞く」方法です。
声の表情と言えば伝わりますかね?楽しそうに話をすると、言葉だけなのですが表情が浮かんできませんか?
喜怒哀楽の表情は顔だけではなく、声にも表れます。
どうしても時間が取れない場合は、「紙面での回答」です。
実際にこみっとの子ども記者が使った手段ですが、じっくり事前に質問を選別できるのが最大のメリットです。
返ってきた回答に対して、追加でお願いしやすいのも紙面ならではかもしれません。
やっちゃいけない!人づて(又聞き)で書くこと
PTA新聞に係わるようになって”人づて(又聞き)”の内容がどれだけ不確かなものか「基本的に現場に行っていない記事は書けません」広報活動の6年間、ずっと伝えてきた経緯があります。
代表的なのが「修学旅行」。
先生方へ聞けば時間もそんなにかからないし、写真データを提供してもらえば撮影する手間も省けます。
委員としてはかなりラクな方法で新聞ができてしまいますね。
実際に参加しなくても行われることがわかれば、中身を見ずに先生からの人づて(又聞き)で記事にできてしまいます。
ほかの学校のPTA新聞を見ると、人づての話題を取り上げた記事がけっこう多いんです。
人づては推測でしか文章が書けず伝えたい内容がはっきりしないし、そこに保護者の視点はありません。
修学旅行なら、旅行先でなくても保護者の視点から準備段階や当日までのバタバタ、裏話に注目しても良さそうですね。
行事に対して地域のみなさんは何を手伝ってくださったのか?
子どもたちの何のためにその行事が行われたのか?今であればアフターコロナでの変更点を尋ねてみてもよいと思います。
学校行事を多面的に見ることをおすすめします。
アイデアを引き出す3点セット
管理人が広報委員会の集まりときに必ず携帯するものとして、
・総会資料
・ノート
・付箋紙
の3点セットがあります。
【総会資料】…学校の年間行事を確認するためでもあるのですが、ほかの委員会活動の内容を把握し、そこからテーマを決めることがあります。
各委員会の担当の先生のお名前が掲載されているのでアポイントをお願いするのに便利です。
【ノート】…管理人の場合、通算で2冊目のアイデアノートです。
小さなメモ用紙を鞄に入れていますが、そちらは外出先でテーマやアイデアを書き留めるのに使っています。
ノートは委員会や取材先でメモ代わりに走り書きしています。
とあるお母さんにノートを見せてほしいと言われたことがあり、汚いのを断ったうえでノートを見せたことがありました。
案の定、何を書いているのか理解できるのは管理人だけなので「見てもわからんかった」と。
キーワードを書き残すことが多く、あとで見れば話を思い出しますしキレイに書こうと思ったことはないですね。
【付箋紙】…正方形の付箋紙です。
貼って剥がせるメモですね。
委員さんの意見をまとめたり、質問内容を書き出すのに使います。
タスクを書いてノートやパソコン周辺にペタペタ貼り付けます。
校正の際には先生とのやり取りに使うことがあります。
もう1つ、どこに何部配付するのか?場所と数字を書き入れてそのまま届けるのに使います。
委員さんに無記名で意見をもらうときにも重宝しますよ。
分類で分けてみたり、構成するときまとめたりするのに大活躍です。
ここだ!と資料で目印をつけるときにも付箋紙を使っています。
—-付箋紙の減りが早いわけだ!……書き出してみて、意外に多く使っているのがわかりました。
illustratorを使っているときに色の数値を書き出し、ショートカットとその内容も書いては貼り付けています。
管理人が単に忘れっぽいだけです。
アイデアが浮かんだら、即メモする習慣をつける(物忘れ防止)と生活の中でも役立ちます。
柔軟な見かたをしよう
PTA新聞をつくるようになって、またボランティア団体を運営していくにあたり、
考え方に柔軟性が出てきました。
いろんな方向から見ることって、本当に大事。
一方的な見かたをするだけでは、新しい発見はありません。
学校行事が行われた、だから何がどうだったんだ?ともう一歩踏み込んで問いかけてみてください。
10人が10人とも納得できる内容にするのは難しいことかもしれません。
でも、こんな別の見かたもあるんだとPTA誌を通じて知ってもらえるだけでも、
「やっててよかった」一年後に、PTA活動を笑顔で卒業できるのではないでしょうか。
まとめ
毎年同じ内容のPTA新聞では、切り口を変化させることで興味をもってもらえる記事になります。
PTA新聞といえば、校長先生のお話、PTA会長のあいさつが定番です。
読まなくても内容がわかりそうな記事は、子ども便で保護者の手に渡ったとしてもなかなか手に取ってもらえません。
1.「へえ~そうなのか」と思える内容
2.子どもたちのことにつながる(いっしょに話せる)内容
3.地域の方または専門家の視点、データに基づく内容
例えば運動会があったのなら、子どもたちの活躍だけでなく裏方で頑張った人たちにスポットを当てます。
1つの面だけでなく、多面的に物事を見るようにしましょう。
➡ PTA新聞で楽しもう!~その4~へつづく