その1に引き続き、管理人の経験から広報活動で実際に困っていたエピソードを書いていきます。
人数を振り分けるとまとまらない? ~学期制振り分けの廃止~
PTA新聞づくりは人数を振り分ければラクに作業が進むわけではないというのを、広報を担当して2年目で痛感しました。
これまでの歴代の委員さんたちの運営方法を探ると、
・1学期制で委員さんを振り分ける
・1ページまるごと学年で担当させる
前年の方法として学期制で振り分けすべてお任せしていたようです。
学期ごとの完全独立型、といえばわかりやすいでしょうか。
平等に作業を振り分ける、考え方としては間違っていないと思います。
考えてみるとこれも責任重大な話でグループのみなさんが忙しくて手が付けられない場合は共倒れになるのが目に見えていました。
くじ引きなどで ”イヤなのにならされた” と考えれば、みんなでつくって当たり前でしょ?という意識が生まれても仕方がない。
自分だけ大変な思いをして、ほかの人がラクだったら不公平感が増してしまうものです。
そんな意識を反映してなのか、”3グループに分けて印刷まで完結してね”のスタイルが理想だったのかもしれません。
PTAの委員さん同士にありがちな「みんなが平等にやるべき」の意識が出ていて管理人は好きじゃない。
個人的にこの方法が一番やりにくいと思っています。
1学期ごとに振り分けてしまうと学期ごとに統一感のない記事ができる
学期ごとに任せるスタイルだと、横のつながりや関連性がまったくないため、まとまりのない新聞になってしまいます。
学期ごとのグループ同士で話し合うことがないのでマニュアルがあっても、その都度質問しなければ作業が進まず、委員さんの中で解決できない場合、学校の先生へ頼んで丸投げするような事態が起こります。
投げるほうはそれで済むかもしれませんが、投げられた先生方はたまったものではありません。
1学期が終わると振り出しに戻ってしまう
1学期担当した委員さんは、基本的に2、3学期の新聞記事に係わることはありません。
ということは、レイアウトから印刷データの作成、発注までひと通り経験しても、2学期以降の委員さんたちにはまったく伝わらないので振り出しに戻り最初からです。
マニュアルを読めばと言われるかもしれませんが、印刷データの基本設定は各印刷会社によってバラバラでどこにするかによって変わります。
記事を制作するソフトでも入稿データの形式が違いますし、なかなか難しいのが現実です。
管理人自身もはじめは印刷データ入稿の初歩がまったく理解できておらず、四苦八苦しました。
これまでの活動記録をUSBへ残しても、委員さんがUSBの中身を読まなければ意味がありません。
パソコンが苦手な方が担当になれば、USBに記録する以前の問題です。
そこで新聞づくりのノウハウよりも私が注目したのは学期ごとの振り分けをやめてしまうことでした。
記事ごとの担当に切り替えてみたところ、興味がある記事の内容であれば委員さんの食いつきが違ったことで同じグループでも進行具合に差が出てしまい、話し合いが進んでいるところとそうでないグループができ、私と相方でそれぞれのグループへ話が進むヒントを出すのにつきっきりになりました。
大いに盛り上がった記事のグループは、家族で実験をした写真を提供してくださり楽しかったと感想を聞かせてくれたのでよかったとは思いましたが、進行がこれでうまくいったとは言えない状況。
もう少し工夫が必要でした。
人数が多ければ価値観が違い意見もバラバラでまとまるものもまとまりません。
このままでは進行に支障が出ると思い、グループそのものを廃止しました。
3学期ぶんの新聞を委員全員で
グループを廃止し、委員さん全員で3学期分の新聞をつくっていく体制にしました。
この方法が今のところベストでしょうね。
委員さんの誰かが責任を負わなくていいし、用事で委員会に出られなくてもほかの委員さんでカバーできます。
メリットとして
・全員集まらなくても委員会として機能する
・委員全員が新聞づくりの流れを把握できる
・委員さんが責任を負わなくて済む
運営する側としてはリードできる人の存在がポイント、私たちにはこの方法がベストでした。
ほかにもベストな方法があると思います。その年度で運営しやすい方法を取り、ご自身が活動しやすい方法が一番です。
情報を共有するにしても、プリントかグループLINEで話し合ったことをアップしておけばいつでも進行具合を把握でき「こんな話は聞いていません」というトラブルも防げます。
何度かあるうちのどこかで委員会に参加できれば大丈夫!の意思を通しましたので、委員さんも参加しやすかったようです。
常に情報を共有して風通しをよくしておくために、学校の校正、印刷の段階まで委員さんに進行具合を報告し振り分け作業にはお手伝いをお願いしていました。
「単におしゃべりしていただけ、何もしていない」と毎年のように委員さんから謝罪を受けることが多かったのですが、そのおしゃべりが記事にどれだけ反映されているか?ちゃんと紙面で納得してもらえる記事にするのが管理人自身の役目だったと思います。
みんなで1年間の新聞をつくっていくことで同じ作業を繰り返し、3学期に入るころにはパターン化され慣れていました。
次にどんなことをしていくのか理解している、たったそれだけですがスムーズに運営していくためには大切なこと。
今まで見ているだけだった委員さんも積極的に意見を出してくださるようになり、とても仲良くなったところで卒業、解散が惜しい年もありましたよ。
おかげで小中学校の両方でPTA紙コンクールの全国大会を経験しましたが、どちらにも共通していたのが委員さんたちとの仲のよさでした。
面白い視点やアイデアは委員さんあってこそ。
新聞づくりの方法は1つではなく委員さんによる声の多さが入賞につながったと思います。
「出ない」と「出られない」は違う
委員会で全員揃うのは春先だけです。
その中でも「出ない」と「出られない」は違うと思っています。
みなさんお忙しい中を時間を割いておみえになるわけですし、揃わなくても話し合いで進められる体制が必要です。
中には初めの委員会以降、まったく顔を出さない強者もおられました。
こちらは欠席されても全然かまわないのですが、ほかの委員さんから何を言われても仕方ないと思います。
初めの委員会の顔合わせや委員会で招集するとき、みなさんにお願いすることがあります。
「お仕事やお子さんの習い事の送迎などを最優先にしてください。お仕事がある方は有休を使うようなことはしないで無理のない範囲でお願いします。途中参加、退席大歓迎です!」
もともとくじ引きなどで無理に委員になった人が嫌々ながら出席されても盛り上がりません。
みなさん忙しいのは同じですから、無理してまで参加するものではないと個人的に思います。
「用事があるんだけど顔出しだけで大丈夫ですか?」と尋ねてきた委員さんに「終了の10分前でもかまわない」とお話しすると、用事を済ませて資料を取りに来た方がおられました。
どんな話し合いがあったのか、興味をもってくださっただけでも充分嬉しかったです。
できることをできる範囲で、出られるときに参加するのが本来のPTA活動ではないかと思います。
グループをやめても「意見を出してください」では出ない
広報の話し合いに限らず、何かの集まりの中で「意見を出してください」と言われてもおそらくほとんどの場合、意見は出ないと思います。
経験上、集まりだけでなくグループLINEなどで呼びかけてもまず出ませんでしたね。
みなさん見事なだんまりでした。
誰かより先駆けて意見を言うのは恥ずかしさがあり思いのほか勇気がいるんですね。
子どもたちには「発表しなさい!」と言っている保護者のみなさん、PTA活動でご意見を出されていますか?と伺ってみたいです。
新聞の記事になるような内容をどうやって見つければいいのか?なんてまったくわからないし、心の中では聞いてみたい気持ちがあっても、”みんなにどう思われるかわからない” 不安な気持ちのほうが勝っているからとも言えます。
それに ”面倒なことは起こしたくない” 気持ちがどこかにあるかもしれません。
できればややこしいことは避けて通りたい、何もしなくていいならそのまま1年を終えたい方もおられるでしょう。
だから食いつきのよい話をいくつか用意しておくんです。
「靴の買い替えってどれくらいの期間でしてる?」「置き勉のことどう思ってる?」
話題があればみなさん我が子がどうしているか話してくださる。
その場で質問が出れば、先生へ聞いてみようか?専門家からアドバイスをもらおうか?となる。
話し合いを進めるなら、自分はこう感じているけどみなさんはどう?とお話してみてください。
無駄になるかもしれませんが、口頭では伝わりにくい内容であれば新聞の切り抜きでもいいし資料などを準備して委員のみなさんに配付してから話題を振るのも1つの手です。
まとめ
学期担当制をやめたメリットとして、
・全員集まらなくても委員会として機能する
・委員全員が新聞づくりの流れを把握できる
・委員さんが責任を負わなくて済む
上記のことなどが挙げられます。
毎学期、みんなで同じ新聞づくりをしていくのですから「次はどんな作業があるのか」把握できます。
委員さんも家庭優先で気負わずに委員会へ参加してくれますし、慣れてきたころに解散となるわけです。
ただし、学期担当制をやめても「意見を出してください」では意見は出ません。
食いつきの良さそうな資料を用意して、まずは自分の体験談から入るもよし、「ニュースになっていたんだけどみんなどう思う?」から入るとスムーズにいくかもしれません。
記事ネタのきっかけは、雑談からはじめてみてください。
→PTA新聞で楽しもう!~その3~へつづく