ここではPTA新聞づくりの経験から管理人が感じたことや楽しむためのポイントを解説していきます。
管理人 profile
小中学校でPTA誌を担当の7年目。小学校では2年目、中学校では初年でコンクール全国入賞、2022年に小学校で2回目の上位入賞を果たす。
現在は文章を扱う仕事をしながらの作成。詳しくないが無類のカメラ好き、趣味は機械いじり。生涯学習コーディネーター。アプリゲームで家族とワイワイ盛り上がるのが至福の時間。
みんなはじめからできるわけじゃないPTA新聞づくり
周囲のみなさんに助けられてアイデアを出し合いながら新聞をつくってきました。
みんなはじめからできるわけじゃないんです。
PTAの委員選出のとき、なり手がなく大抵最後まで決まらないのが広報です。
パソコンが使えないから無理、文章苦手だからと避ける方が多い。
そうかと思えば、運動会の写真目当てで委員になる方もおられましたね。
委員さんには申し訳ないのですが私たちがグラウンドに入るとほかのみなさんの撮影の邪魔になるんですよ(言い方は悪いですが)写真撮影をエサに委員に釣るような行為はしません。
研修会でお会いした方の中にパソコンではなく手書きで新聞をつくった方がいて、レイアウトや文字のバランスを取るのは大変なのに器用だなと感心したことがあります。
理由を尋ねると“大変だけど手作りの温かみがあるから手書きにこだわる“という話で、それぞれの学校と委員さんの個性が出る紙面だと感じました。
管理人は新聞の作り方に対する知識はほぼなしのところから始めました。
Wordからスタートしましたがフレームつきのタイトルをつくるのに1日かかり、作文は小学生以下レベル、文章は学校での校正時に赤ペンで真っ赤になって返ってきたこともあり、今となってはいい思い出です。
はじめから一般紙のような記事が書けるわけではないんです(よほどの語彙力(ごいりょく)があれば違うかもしれない?)箇条書き、小学生の作文からはじめて徐々に読みやすい文章にしていく。
もっと言うと、誰にも初めてがあって新聞のプロの方も、もとは初心者で先輩に基礎を叩きこんでもらうんですよ。
「PTA広報誌はボランティアなのに面倒」という言葉で片付けてしまっている気がしますね。
新聞づくり講座があると聞けば受講し、写真についてはカメラ講座に通った時期があります。
基本ができていなければ記事は書けないし、いい写真が撮れず構成も当然できません。
第三者にアドバイスをもらうことで読みやすい紙面に成長します。
保護者のみなさまや先生方、地域の方々が何を思っているのか知りたくないですか?毎年聞くのが「活動で何をしているんですか?」という質問です。
知らせないままだと学校やPTAに「活動はどうなっているのか?」問い合わせる方がおられるのではと思います。
情報を知りたいのに知らせる役目である委員にはなりたくないというのは矛盾していると常々感じていました。
子どもたちの参観では見られない貴重な姿や地域の方々、先生方のもう1つの真剣な表情を間近で取材できるのが広報委員の醍醐味です。
子どもたちの学び舎を直接感じられるのも魅力です。
広報ではネタを探したり文章を考えたりするのは生みの苦しみがあるかもしれませんが、保護者の学校生活に関する疑問や先生方の意見を大いに反映できるのがPTA新聞だと思います。
PTA新聞を楽しんでつくろう!少しでもつくって良かったと思ってもらえるように、今までの経験から新聞づくりのポイントをお伝えします。
楽しく新聞づくりをするためのポイント
1年間、無理なく楽しい新聞づくりをするために研修会でよく耳にするポイント3つを挙げます。
下記の3つができるようになると記事作成がぐっとラクに、ネタ切れの心配も減るのではないでしょうか。
・ネタは雑談の中で見つけよう
・学校通信とPTA新聞の住みわけをしよう
・専門家に頼ってしまおう
ネタは雑談の中で見つけよう
広報委員会の集まりのスタイルは基本茶話会です。
人数が集まれば子どもたちのこと、勉強のことなど話は尽きませんね。
その雑談の中で記事になりそうなネタを見つけましょう。
管理人が担当してきた委員会では、お茶菓子を囲んで自己紹介から始まりPTA総会資料の年間スケジュールを確認しながら時間いっぱいまでおしゃべりしていました。
緊張している委員のみなさんもここで緊張がほぐれます。
テーマをあらかじめ絞っておいて提案の形にするとスムーズに進行しますよ。
3学期共通のテーマを決める
春先に年間テーマを決めて3学期に渡りシリーズ化してもいいし、コーナーをつくってしまうと書きやすいです。
あとから変更があるのは当たり前で、骨組みを前もって決めておけばそれを軸に肉付けができます。
全体のページ構成も見えてきますので年間や学期でテーマを設定する方法をおすすめします。
茶話会で和やかにネタ発掘!
先生方や本会役員のみなさん、ときにはPTA会長さんも交えた和やかなお茶会がすっかり定着しました。
本音を聞き出すにはお茶菓子の存在は欠かせません(断言します)甘いものを食べることによって緊張が解け話しやすくなるのかもしれませんね。
テレビで流れている情報番組、ニュースやネットニュースでトップに表示されるニュースは世の中のみなさんが注目しアクセス数が多い内容です。
その中から学校の実情に結び付けると疑問や呼びかけとして記事にしやすくなります。
スマホが1人1台の時代、本当か嘘かで批判するネットニュースを案外細かくチェックされているのに驚きです。
委員会は頭を寄せ合って打ち合わせをしているお堅いイメージがありますが、みなさん緊張しているとまったく話してくれませんし、正直人数が多いほど内容が決まりません。
10人いたら当然10個かそれ以上の意見が出されます。
その場で決めるのではなく、みなさんからアイデアをもらう場です。
おしゃべりに夢中になって終わる時間を忘れてしまい、子どもに気付かされ慌てて帰りの準備をするのが管理人の委員会お決まりのスタイルです。
雑談の中で先に見出しを決めることがありますし、追加取材になっているのも珍しくありません。
専門家に尋ねてみたいと言われたらスケジュールを調整してもらって取材し、地域の方からコメントをいただいたり人と人のつながりやご縁が新聞に反映されます。
保護者同士のちょっとした会話から疑問に思っていることを違った角度から見てみること、委員さんの話を聞くだけでもプラスになること間違いなしです。
学校通信とPTA新聞の住みわけをしよう
子どもたちの様子は学校通信や学級通信等にお任せし、PTA新聞では先生方や地域の方、保護者目線の内容で住みわけをしましょう。
最近では地域コミュニティ紙もありますから、市町村の広報誌と合わせて情報を補える形が理想です。
学校の理解ありきの住みわけ
PTA新聞は子どもたちの思い出写真アルバムではありません。
まったく載せるなとは言いません、記事本文なしの写真誌にするのは避けましょう。
学年全部・全員を載せるとか、できないことはないかもですが、それってクラスの集合写真ですよね?
子どもたちがどんなことを学び、学校生活を送っているのかを伝えるのは、学校通信、学年通信、学級通信の役割です。
すぐに理解してもらえないことがほとんどでしたが、時間をかけて(数年)PTA新聞の内容にご理解をいただきました。
学校のご理解があってこそのPTA新聞です!
読まれるPTA新聞は内容次第
“読まれる新聞“にするなら学校行事だけでなく周囲の出来事に目を向けてみてください。
PTA誌で学校行事を伝えるのもアリですがそれでは内容が学校通信と同じになってしまいます。
変化球を投げない限りどんなにお金をかけても、読まずにスルーされるか子どもが持ち帰ってもゴミ箱行きになるだけです。
毎年恒例で、広報委員さんに“あること“を必ず尋ねています。
「PTA新聞を読んでいますか?」
誰も手を上げない、見事にゼロ。
過去の新聞は学校行事の子どもたちの写真が中心でしたが、やはり読まれていませんでした。どうして読まないの?と聞いたら、
「毎年同じ内容だから気に留めてなかった」、「面白くない」
わかってはいましたが、これは痛い。
この年の広報委員さんが卒業するとき、全員がPTA新聞を読んでいますと手があがることになります。(PTA新聞を楽しもう!その2以降で触れていこうと思います)
PTA新聞=学校行事だけという決まりはない
そもそもPTA誌の中身は学校行事だけという決まりはありません。
本来なら子どもたちの写真で紙面を埋める必要もないんです。
私たちが見てみたいのは学校に係わる関係者の姿です。
学校の現状を知りたい、取り組みを広めたい、視点が変わったとき載せる写真の内容も変わります。
一歩学校の中へ入ると今の学校の姿が見えます。
保護者の視点から疑問に感じたことを取り上げてみてください。
アフターコロナを考える
新型コロナ感染症の影響で新しい生活様式になり行事が相次いで延期や中止になりました。
今まで運動会をはじめ学校行事を長年慣例化していた委員さんは、記事に困ったのではないでしょうか。
インフルエンザとほぼ同等の扱いになってきた現在、アフターコロナの活動をどうするか?徐々に学校行事やPTA活動が復活していますが、100%ではありません。
PTA誌で何を伝えられるか?保護者や先生方、地域の方々の本音です。
全国的にPTAの組織を廃止、脱退する学校が増えています。
でもどこかで学校通信以外の情報を手に入れたいと思っている人もいるような気がします。
紙面に載せると周囲の反応も様々です。
今までなにもできなかった困りごとに協力者が現れるかもしれません。
過去にPTA誌のおかげで現状をお話する機会をつくってくださった方が実際にいました。
PTA新聞の効果を実感し感謝した瞬間でした。
PTA活動だけを載せるというご意見もよく聞きます。
ただ「活動しました」という内容なら、各委員会の報告書で間に合います。
PTA活動に限らず学校や地域、市区町村が動いたことでどうなったのか、一歩踏み込んだ内容を知らせるのがPTA新聞の役割だと管理人は思います。
学校行事の枠を外して、周囲を見渡してみましょう。
専門家に頼ってしまおう
専門的な内容は専門家に意見を求めると「なるほどね」「そうだったんだ!」が伝わる内容になります。
寄稿をお願いするという意味の「頼る」ではないのでご注意くださいね。
話を引き出す工夫をしよう
話を聞きに行ったその場で質問内容がうまく伝えられないなら、事前に尋ねたいことをまとめて先方へお渡ししておきます。
どんな方向性で伝えたいのか把握するのが簡単ですし、質問内容がわかっているので話しやすくなります。
なにより伝え忘れで焦ることがなくなります。
取材とかしこまらずに雑談を交えながらお話を聞いてください。
電話で話していただく方法もあります。
話を聞かなきゃいけない!と思えば、義務になってしまい面白さも半減します。
ママさん同士の雑談では止まることなく話せるのですから、相手のお話に興味をもつことから始めましょう。
→ PTA新聞で楽しもう その2へ続く